今年の誕生日に買ってもらったもの。それは、メキシコのトナラー焼きのネコである。ちなみに私の誕生日は8月である。今はもう10月だ。早く記事が書きたいと思っていたはずなのに、なぜ今記事を書いているのだろう。

左:トナラー焼のネコ
産地:メキシコ・ハリスコ州トナラー
サイズ:体長20センチ
製作年:1980年代
右:トナラー焼のフクロウ
作者:ホルヘ ウィルモット
産地:メキシコ・ハリスコ州トナラー
サイズ:横7.2センチ・高5.2センチ
製作年:1960年代
ネコとの出会いは突然に。
夏休みの帰省中、京都の恵文社で私はオアハカカービングの本をゲットしてほくそ笑んでいた。帰りの叡山鉄道の中で、オアハカカービングをネットサーフィンしていたら、この陶器のネコと目があってしまったのである。
コイツ、めっちゃいい顔してるwww
思わず、隣の旦那さんに声をかけた。それからも、叡山電車の中で写真をみながら何度も笑ってしまう。見れば見るほど変なカオだ。
ちなみに、右側のフクロウは2023年夏に、国立博物館で行われたメキシコ展の土産コーナーで一目惚れして購入したものである(同じLABRAVAで買っている)。
つまりトナラー焼は、2作品目である。フクロウも、ただただ気に入って買っただけだったのだが、利根山光人コレクションだったことを帰宅してから知る。いつかオアハカカービングが欲しい!と思っているのに、どういうわけかご縁があるのはトナラー焼ばかりだ。オアハカはまだ「これだ!」という運命的な出会いはまだしたことがない。これは、現地に行ってこい!ってことじゃないかと最近思っている。
利根山光人展のススメ
現在、世田谷美術館で利根山光人展が行われている。いくつかの油絵が、岡本太郎と似ているなと思ったら、岡本太郎の版画づくりをサポートしたり、めちゃくちゃ交流があったようだ。
大きな作品も良かったが、エスキースが良かった、というより、作品によっては本番の作品より、エスキースの方がいいな、と思うものもあった。なんだろう、降りてくるものってそういうことなんじゃないだろうか。こういうものは、やはりまとまった展示のときでないとみられないと思うから、足を運んでよかった。
親に内緒で芸大を受けて落ちるが、その後・・・
利根山氏の経歴のところに「親に内緒で芸大を受けて落ちた」と書いてあった。そういうところも私は好きだ。
結局、彼は早稲田大に入学する。でも、のちにリトグラフと出会い、早稲田大学の地下倉庫に眠っていた石版印刷プレス機を譲り受け、のちの彼の芸術活動に大きな影響を及ぼしている。そう考えると、入学当時は、本人にとっては不本意だったかもしれないが、人生というのは本当に何が起こるかわからない。

じつは、利根山氏の最後の石版画の公開制作の現場を拝見する貴重な機会を得た。
写真に写っている摺師の尾崎正志さんは、利根山光人の義理の息子さんでもある。
お人柄もエピソードも素晴らしかったので、改めて、工房に行ったときのレポート記事も書きたいのだが、美術館展示が11/9までである。近場の人は、ぜひ足を運んで本物の息吹を感じて欲しい。
こっちゃんから「キモい」と言われたネコの末路
話が脱線しまくったが、冒頭に紹介したネコの置物。

なんか、キモい。
こっちゃんからは不評であった。母は、その「キモさが好き」なのだが、たしかにフクロウと比べると、胴がやたら長いし、カオがとっても変であるからして、こっちゃんの言い分もわからなくはない。ただ、不細工でも好きなものは好きだから仕方がない。
でも、こっちゃんだって、ずいぶんとひどい絵を描いているではないか。あんまり人の作品のことは言えないはずである。

可愛くなったトナラー焼きファミリー
そんなこんなで、フクロウは可愛いけど、ネコはキライなこっちゃんが、私の誕生日にこのネコをもっと可愛くしてあげる、という。描いてもらったのがこの絵だ。

うん、可愛いではないか。やはり、右側にいるパパの顔が、なんとも言えないが。

